緑島遥 - 制作裏話&考察
「緑島遥 - 制作裏話&考察」についての記事です。
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「緑島遥 - 制作裏話&考察」についての記事です。
この記事は、『NARCIST COMPLEX』に登場する攻略対象キャラクター「緑島遥」に関する制作裏話と、制作者自身による考察をまとめたものです。
なお、ストーリー内で描かれた出来事のみが「事実」です。私が「〜かもしれない」などと考察している部分については、「制作者が勝手に言っているだけ」くらいの気持ちで、気軽に読んでいただければ嬉しいです。
プレイヤーと制作者の間で解釈が異なる場合、それは制作者の解釈が唯一の正解というわけではなく、それぞれに独自の解釈が存在すると私は考えています。
『NARCIST COMPLEX』というゲームは、「攻略対象全員ナルシスト」というやや冗談めいたキャッチコピーを掲げていますが、実際にはギャグ要素は少なく、重厚なヒューマンドラマが展開されるゲームです。
一般的に「ナルシスト」という言葉は、ネガティブな意味や笑いの要素として使われることが多いように思います。そのため、現実世界においても「ナルシスト」に対してマイナスのイメージを持つ方が少なくないのではないでしょうか。
こうした背景から、「ナルシスト」の概念を多角的に捉え、各キャラクターにそれぞれの自己愛を反映させ、『NARCIST COMPLEX』という作品を制作しました。
作中のセリフにもあるように、
そんなことが当たり前のような世界の、夢。
そんな世界を夢見る物語です。
そんな『NARCIST COMPLEX』の舞台で生まれたキャラクターの一人が、緑島遥です。
彼は、自分自身に性的な嗜好を抱きながら、同時にそんな自分を嫌悪しているキャラクターです。

緑島は丁寧で物腰が穏やかで、春の陽だまりのような安心感を与える人物だ。親友の北颪彪からも「底抜けに優しい」と評されるほどである。控えめな主張と、謙虚さから自己評価が低く見え、一般的に「ナルシスト」と呼ばれるような自己愛を感じさせない。
しかしある日、主人公の志貴しずくはひょんな出来事から、緑島が成人向けのイラストレーターであることを知る。清純で潔白といった印象を持つ緑島とのギャップに驚かされるのだ。緑島とは一体、どんな人間なのか? なぜナルシストとまで呼ばれるのか? 全容が見えないまま、物語は進んでいく。
やがて、しずくは緑島の本質に触れる。緑島は自分自身に性的魅力を感じ、それを絵という形で昇華している。だが、その嗜好に気づいたきっかけは「過去の忌まわしい事件」であり、彼は自身を「異常で汚らわしい」と蔑んでいる。そして、「自分と一緒にいるべきではない」としずくに語るのだった。
このルートは、志貴しずくが緑島のことをどう受け止め、どんな言葉をかけるのかで未来が大きく変わるストーリーである。
緑島の性質は、自分自身に性的な魅力を感じるオートセクシュアル(自己性愛者)をモデルとしている。オートロマンティックとは異なり、緑島は自分に恋愛感情を抱いてはいない。
オートセクシュアル自体はナルシストやナルシシストとは異なるものだが、緑島の場合、自分を「絵」という形で表現し、その作品を他者に認識・称賛されることを心から望んでいる。緑島には豊かな表現力があり、彼が描いた絵は多くの人に称賛され、その快感が緑島の性質をより強固なものにしていった。
一般的ではない嗜好性を持っていることは緑島自身も認識している。彼の理性や価値観はこの性的嗜好を「異常」と見なしているが、どうしてもその感覚を抑えきれず、自己嫌悪に陥っているのだ。もしこれを自分の「性質」や「個性」として受け入れることができれば楽になれるだろうが、それは簡単なことではない。
裏話をすると、緑島の設定やストーリーは早い段階で固まっていた。しかし、本当にこれを世に出すべきか悩んだこともある。オートセクシュアルというテーマはセンシティブであり、十分な理解がないまま触れてしまえば、傷つく人がいるかもしれないからだ。それでも、「自分自身が好き」「自分に自信が持てるように」というテーマに対し、「自分に性的魅力を感じる」という側面を無視するべきではないと考え、世に出すことを決めた。
一方で、緑島は性的な話や軽薄な下ネタには強い嫌悪感を示す。大学生にもなれば、男女の関係や遊びに関する話題が出ることもあるが、緑島はそのような話題を避ける傾向がある。愛人を取っ替え引っ替えするような話は、緑島にとっては理解できない世界だ。
この性格を「清純な人」として神聖視する者もいれば、「堅物すぎて息苦しい」と感じる者もいるだろう。緑島自身も自分の性格を「普通じゃない」と認識している。周囲が下ネタで盛り上がっていると、相容れなさを感じつつも、多数派である彼らを受け入れているため、下ネタを理由に友人関係を断つことはしない。しかし、やはりそういった話をしない人といる方がリラックスできるようだ。
緑島の「汚れ」を嫌う徹底した性格は、しずくとの関係にも影響を及ぼしている。「志貴しずくは綺麗で、汚れを知らない存在であり、誰も彼女を汚してはならない」という理想が強すぎるほどに抱かれている。しずくが誰と恋愛関係になるかは彼女の自由であるべきだが、緑島には独占欲にも似た感情が芽生えており、しずくを「誰にも汚させたくない」という思いがある。これは自分勝手な幻想だと自覚しているが、自覚していてもどうしようもないもどかしさを感じるのが恋愛というものだろう。
緑島の純潔への執着と、自身の性的嗜好との間にあるギャップは、彼にとって大きな苦悩の種である。そのバランスをどう取っていくかは、彼自身と、彼に影響を与える周囲の人々との関わり合いに委ねられている。
緑島には、物事を魅力的に見せる天性の才能が備わっている。それは誰かに教わったわけではなく、自然と身についてきたものだ。普段の所作も、植物の手入れも、無意識のうちに洗練されていく。
そして、彼の絵はこの才能が遺憾なく発揮されたものであり、誰もが惹きつけられる、まるで魔法のような力を持っている。「赤ヶ原」の名が本人の予想を超えて世間に知れ渡ったのは、緑島にとって幸福でありながら不幸でもあった。
もしかすると、緑島が自分に惹かれるようになったきっかけも、この才能が無意識のうちに発揮された結果なのかもしれないが、その真相は本人にもわからない。
END.Bでは、緑島の協力もあって夜巳と共に大成功を収める。緑島は夜巳の魅力を最大限に引き出す方法を熟知しており、自分自身だけでなく、他者の魅力を輝かせる術も心得ている。彼が「泥」や「汚い」と呼ぶものの中には、どうしようもなく人を惹きつける「魅力」も含まれているのだろう。汚さと美しさを併せ持つ物事の本質を見抜き、それをあっさりと引き出す力がある。それこそが、緑島の才能だ。
緑島は一見すると気が弱そうに見えるかもしれないが、実際には自己犠牲を厭わず、時に頑固な姿勢を見せる人物だ。「自分が傷ついても構わない」と信じており、他人が犠牲になることはどうしても受け入れられない。そのため、極端な考えに基づいて他人を守ろうとし、大胆に振る舞うこともある。緑島は一度思い立つと何でも成し遂げようとするため、彼を止めるのは非常に難しい。
この性格は一種の「強さ」と言えるが、それは必ずしも本人が幸せになりやすいタイプの強さではない。時には他人に頼ったり、互いに足りない部分を補い合ったりすることも、人と共に幸せに生きるための強さなのだろう。
緑島、もとい赤ヶ原の描く絵について、作中ではその詳細が明かされていない。
蜜柑は「見た人の価値観を上書きするような絵」と評し、夜巳は「脳が焼き切れる」と述べているが、これでは「何やらすごい」という程度の印象に留まる。絵の詳細を開示していない理由には、このゲームが年齢制限を強く設けていないことがあるが、描写しないことでプレイヤーの想像力が掻き立てられるとも考えたためだ。ちょうど「ミロのヴィーナスの失われた腕が、観る者に無限の美の可能性を感じさせる」という理屈と同じである。
赤ヶ原がどのような絵を描いているかは明確にはされていないが、プレイヤーが想像を膨らませるためのヒントはいくつか存在する。たとえば、緑島の部屋にとても大きな鏡が置かれていること、「この目で見たものしか描けない」と語ることなどだ。
また、緑島は赤ヶ原を名乗る以前には特に絵を描いていなかった。美術の授業で描いては少し良い成績を収める程度だったが、赤ヶ原として一躍有名になったのは、単に画力が急成長したからではない。緑島が「美しい」と感じたものを、並外れた情熱で“見る”ことができたからだ。
『赤ヶ原』という名前は、『緑』の反対であり、穏やかさとは対照的な響きを持っている。この名前が、自分自身や過去と向き合いながら自分を見つけていく緑島の物語にぴったりと合っていると言えるだろう。穏やかな「緑島」とは異なる、内面の葛藤や挑戦を象徴する「赤ヶ原」。その名前には、緑島が抱える対立と成長の物語が表現されている。
『赤ヶ原』という名前は、緑島にはあまり似合わないように感じるが、だからこそ魅力がある。この名前が、緑島が普段見せない一面や、内なる情熱、あるいは自身との対峙を象徴しているように思える。
赤ヶ原としての活動は、年齢制限が明確に設けられたプラットフォームで行われ、サブスクリプション形式で絵を公開している。その収入は個人事業主として十分にやっていけるほどである。しかし、緑島はそもそも収入を第一の目的として赤ヶ原として活動しているわけではない。大学卒業後は就職を希望しており、赤ヶ原としての収入を主な生活の糧にする意向はなさそうだ。
デザインテーマは「春」「昼」、テーマカラーは「爽やかな緑」。
身長は最も高く、身体のパーツも大きめ。非常に逞しい体つきだが、線が細い印象になるようなデザインになっている。
緑島は身体を隠すような服を好む。腰に緑のスカーフを巻いているが、立ち絵だとほとんど見えなくなってしまった。夏でもスカーフを羽織っているが、薄手のため、見た目ほどは暑くない。
苗字に「緑」が含まれており、緑っぽい印象を大事にしている。瞳だけでなく、髪のインナーカラーも綺麗な緑色だ。なお、インナーカラーは緑島が自分で手入れしている。髪型も夜巳に見てもらいながら自身でスタイリングしている。美容室が苦手だからだ。
感情表現はあまり豊かではなく、表情差分は全キャラで最も少ない。重要なセリフを言うシーンでは立ち絵が表示されていないことが多く、どんな顔をしてそれを語っているのか、プレイヤーの想像力に委ねられている。
時に、ギャップは激しい。緑島のルートは他のキャラに比べてやや不気味な演出が多いため、そんな演出が似合うよう、少しアダルトな雰囲気を秘めさせている。

あなたとは、緑島のことであり、しずくのことだ。
緑島はしずくに想いを抱きながらも、自らそうした感情を許そうとはしなかった。そのことが、しずくにとって何より悔しく、譲れない問題だったのだろう。犯罪に手を染めたわけでもなく、誰かを脅かしたわけでもない。ただまっすぐに生きている人間を「悪」と決めつけるかのような緑島の生き方は、緑島の幸せを願うしずくにとって、受け入れがたいものだったに違いない。
個人的に、緑島の考え方がすべて間違っているとは思わないし、「赤ヶ原という存在が奇異の目で見られる」ことや、「一緒にいるだけで嫌な考えを持つ者がいる」ことも、実に現実的な見方だと思う。そして、しずくがこの「現実」を本当の意味で理解できているのか、わからない。
そんな緑島が決断できたのは、しずくの姿勢があまりにもまっすぐで、熱く、“綺麗”だったからだ。今はやや世間知らずなところがあるしずくだが、少しずつ現実を知っていくだろう。それでも、しずくはまっすぐに緑島を見つめ、受け止め、「綺麗」だと言ってくれる。その思いを感じ取って、緑島はしずくを抱きしめた。
しずくの綺麗な言葉に甘えてもいい。……そう知ったとき、緑島は長く背負ってきた苦しみから解放される。過去の一件を乗り越えた先に、今という時間がある。そのことを、緑島は心から幸せに思っている。
なお、攻略対象の中で唯一、しずくと恋仲になった後で志貴ハウスを出ることを検討している。他の男を寄せ付ける気がない晃や彪、みんなを信頼している夜巳とは違い、緑島は「しずくが魅力的な子だから、他の男がどう思うか分かったものじゃない」と考えている。冷静に見えて、嫉妬深く、独占欲も強い様子だ。
しずくを守ることができたのだから、これは緑島が最も望んでいた結末のはずだ。それなのに、どうしてこんなにも胸が痛むのか。
ENDのタイトルは『セキガハラの戦い』にかけている。『関ヶ原の戦い』が「天下分け目の戦い」と呼ばれるほどの決戦であったように、緑島にとってもこれからの人生を決定づける重要な出来事だったのだ。緑島が、自分をどれだけ犠牲にしてでも愛する人を守ろうとする覚悟が表れた結果である。
小田藁に対しては脅迫めいた強気の行動をとり、夜巳に対しては主導権を握るなど、普段ならやらないようなことをあっさりやり遂げてしまう。皮肉にも、これこそが、緑島がしずくを心から想っている故の行動なのだろう。しずくのことを思い出すたびに、緑島は胸を痛めるだろうが、そこに後悔はない。「緑島遥は、志貴しずくに近づいてはいけない人間だ」という冷徹な真理だけが残っている。
「これもすべて小田藁のせいだ」と恨み言を吐くことができればまだ気も楽だろうが、緑島はそんなことは少しも考えない。すべて、自分の本質の「汚さ」に原因があると理解しているからだ。
緑島にとっての願いが、最悪の形で叶ってしまった。非常に後味の悪いENDだ。
ある人にとっては、このルートのしずくの意見の方が共感できるかもしれない。しずくは緑島の思考に違和感を覚え、ただ緑島のことを気遣って「いつか治る」という言葉を選んでしまった。
緑島にとって、この瞬間は「振られた」も同然だった。ショックだったに違いない。しかし、しずくの言葉が正論だと納得しており、やはり「おかしい」のは自分だと覚悟を決めるのだ。しずくが自分の意思をはっきりと示してくれたことについて、緑島は全く恨んでおらず、むしろ感謝しているだろう。
最終的に緑島がどうなったのか、作中では語られていない。裏設定としてもあえて決めておらず、プレイヤーの解釈に委ねられている。ただ、「緑島がどこかで生きている」ことだけは確かだ。
裏話をすると、END.Cの最後の方に聞こえる音は、何か特定の場面を表現したものではない。小田藁に拉致された後の結末には複数の可能性があり、それらを複数の音で表現している。「緑島が生きている」ことを前提にすれば、(具体的には書かないが)かなり最悪の可能性も考えられる。緑島なら、それをやり遂げてしまえるだろう。仮に彼が既に解放され、志貴ハウスに戻れる状態だとしても、戻らないという選択を取るだろう。元より、緑島にはそれだけの覚悟があったのだから。
最後の手紙には、緑島の未練がにじみ出ている。この手紙が残れば、しずくに緑島の記憶が強く残ることくらい緑島にも分かっていたはずだ。それでも手紙を残した理由は、しずくが他の男性と簡単に恋愛しないようにするためだったのだ。
もう、しずくが誰かに汚されることはない。しずくは“一生”、緑島に守られて生きていく。
夜巳にとって緑島は、いわば「希望」や「可能性」を感じさせる存在だった。
夜巳自身も、自分を愛しながらも折り合いをつけようとしている状態にある。初めて緑島(赤ヶ原)に会った夜巳は、「自分と同じタイプの人間かもしれない」と期待を抱き、緑島の姿に「自分はどうあるべきか」という答えを求めようとした。実際には、緑島と夜巳は全く異なる存在だが、夜巳にとって大事な出会いだったに違いない。
夜巳は緑島と理解し合える友達になりたかったのだろう。だからこそ、彼は緑島を理解しようと努力していた。しかし、その夜巳の気持ちを緑島が見透かし、利用したのがEND.Bだ。夜巳が隠そうとしている気持ちを暴き、晒し、さらに他者から称賛される快感に引きずり落とした。夜巳は緑島に対して「(しずくと)あんな別れ方でいいわけがない」と訴えたが、その言葉さえも緑島が押さえつけてしまう。夜巳は心から緑島の幸せを願っていたはずだが、思考をかき乱されてしまう。その後、夜巳が緑島やしずくのことをどう思ったかは、誰にも知る術がない。
そんな世界線もありつつ、一方のEND.Aでは、夜巳は緑島の心が安定しつつあることを喜んでいる。夜巳は、かつて「自分と同じタイプの人間かもしれない」と思っていた緑島も、実際には「他人」であり、全く異なる存在であることを悟るだろう。それでも、夜巳は緑島が彼なりの幸せを掴み取ることを心から望んでいるに違いない。
ちなみに、夜巳がしずくに「(赤ヶ原の絵を)ちょっとだけ見て、見るのをやめちゃった」と言うシーンがある。このとき夜巳は目を逸らして笑っている。作中で夜巳がこの表情を見せるのは、戸惑っているとき、言葉に迷っているとき、そして「嘘をついて誤魔化そうとしているとき」である。
かけがえのない、ただ一人の親友。たくさんの恩を感じている。自分が緑島にしてきたことなど些細なものでしかないから、彼がしてくれたことにたくさん恩返しがしたい——。それが、彪の想いだ。
彪と緑島は、性格や性質的に大きく異なるが、だからこそ彪は緑島に心を許している。緑島は自分を誇示したり、他人を否定したりしない人物だ。高校生の彪にとって緑島は、悪く言えば「都合の良い人物」だった。この「都合の良い人物」という認識がやがて「優しい人物」「安心できる人物」となり、さらには「心から信頼できる人物」へと変わっていった。
彪は心のどこかで「ミドリに見捨てられたら終わりだ」と思っている。彼は時折暴走しがちな性格だが、緑島が反対の意見を述べたときには冷静に自分を見直すことができる。それは緑島に見捨てられたくない、失望されたくないという気持ちの表れだ。
また、彪の目から見ても緑島の絵の能力は抜群であり、「嫉妬すらない」ほどのものだ。緑島の絵が評価される世の中こそが、彪にとって「正しい」世界であると考えている。
そんな緑島が、END.Cで姿を消してしまったことは、彪にとって受け入れがたい現実だ。緑島は何も悪いことをしていないのに、こんな結末はおかしい。緑島が自分に相談してくれなかったことも、側にいながら彼を止められなかったことも、彪にとってはショックでしかない。信じていた世界が、正しいはずだった世界が、そして親友がいなくなってしまったという現実を、簡単に受け入れられるわけがない。
「緑島遥は幸せにならなければならない」。それが、彪の信念でもある。
作中、緑島と晃は最も関わりが少ないペアである。その原因は、緑島の方にある。自分が成人向けイラストレーターであるため、高校生である晃との過度な接触を避けているのだ。
晃も、緑島のそうした性格をなんとなく理解しており、二人の距離感に居心地の悪さを感じてはいない。しかし、一方で「もっと一緒に遊びたい」という願望も抱いている。
晃にとって緑島は、良きお兄さんだ。とても優しく、国語の勉強も教えてくれるし、読んだ本の話で盛り上がれる仲でもある。話すだけでワクワクする存在だとも言えるだろう。
いつか、緑島が自分に対して敬語ではなく、もっとフランクに接してくれると嬉しい。そう願っているものの、その日が来るのはまだ先になりそうだ。
自分を犠牲にできる強さと、他人を傷つけられない弱さ。その綺麗な心が、誰かと愛し合い、守り合う尊さを知った時、彼にとっての本当の幸せが訪れる。
そんな彼を魅力に想い、彼のルートをプレイしていただいた皆様へ、心より感謝申し上げます。